摩天楼オペラ彩雨
公開講義「音楽とテクノロジー ~原始音と電子音をつなぐ音楽クロニクル~」
at 京都情報大学院大学 前編
◎音楽⇔テクノロジー
音楽というものは1000年間発展してきたもので、テクノロジーに常に影響を与えてきた。
音楽とテクノロジーは互いに影響を与え合って発展してきた存在。
今日は音楽の歴史を振り返りながら、実演もありつつで音楽とテクノロジーがいかに影響と与え合い続けてきたのかをお話される。
◎音楽と楽器
●楽器とは何か?
⇒音の鳴るもの。
ここにあるペットボトルも叩けば音が鳴る=ある種の楽器ということができる。
ex))骨のフルート
42000年前のもので、アフリカ?だったかな?でたくさん出土している。
骨に穴が開いているもので、世界最古の楽器だと考えられていた。
昨年の授業では、これを「世界最古の楽器かもしれない」と紹介していた。
↓しかし!
最近の研究で、骨に動物が噛み付いた跡が残っているだけで、楽器ではなかった!
古代の人も音階を鳴らしていたのではないか、という仮説が成り立つのではないかと彩雨さんは期待していたそうですが、この世界最古の楽器が楽器ではないと判明してしまって残念だとおっしゃっていました。
彩雨「でも、音楽はあったはずなんです。ドンドコドンドコ 木叩いたり、ウッホウッホ歌ったりしてたんですよ!」
ここからのちょびっと頻出単語:「ウッホウッホ」
とはいえ、楽器は今のところ見出土なのだそうです。
◎音楽とは何か?
彩雨「昨日のライブで、うちのボーカルの苑くんが、『ここにいるひとは音楽が好きで~』って言ってたけど、僕は聞いてなかったんですけど」
そこは聞いて!笑
●音楽ってなんだろう?とても哲学的な話になる。
ex))教室で鳴らすペットボトル:雑音。
でも、リズムに乗り出したら、音楽かも。
●音楽が発展したのはここ1000年くらい。
音楽の定義を語るには欠かせない存在がある。それが「西洋音楽」
◎現代音楽の歴史
●グレゴリオ聖歌
⇒教会音楽(キリスト教)
単音のメロディー
↓進化して
2つのメロディーが同時に鳴るように
↓それによって
ハーモニーを築けるようになった
●並行して、テクノロジーも発展して行く。
楽器の種類が増えるにつれ、オーケストラが生まれ、より複雑な曲を表現できるようになった。
⇒この時代に、バッハ、モーツァルトが生まれる。
●ネウマ譜 9世紀
昔の楽譜は5線でなく4線だった!
昔は活版印刷が存在しなかった。
もしも紙がなくて、葉っぱに文字を書いて生活していたら、コピーする技術がないから音楽は広まっていなかった。
☆様々な発明が音楽に影響を与え、互いに発展して行く。
(音楽を録音する媒体がない時代の音楽の伝播の仕方がすごく気になった~!
楽譜だけでは音は鳴らないけれど、楽器だけでは創られた音楽は広がらない。
今日はそこまではお話がなかったけれど、モーツァルトが生きた時代の音楽の楽しみ方広がり方は一度調べてみたいな)
◎発明が楽器を変える
●この世にある楽器の数は、もはやあやくすも分からないそうで。
①ピアノ:鍵盤楽器。ハンマーが弦を叩いている構造。
⇒14世紀 クラヴィコード:“弦を弾く”という意味でのピアノの祖先のような存在。
紀元前3世紀 水オルガン:水の量で音楽を調整することのできる楽器。北アフリカで発明され、鍵盤を押して音が鳴る楽器という意味では、ピアノの原型ということができる。
☆当時の技術進歩のスピードは、現代と比べると非常にスロー。
②ヴァイオリン ⇒1550年 イタリアで今とほぼ同じ形のヴァイオリンが登場している。発明された時から大きくデザインが変わっていないことが特徴。
☆ピアノのように、徐々に進化していくものもあれば、ヴァイオリンのように突然あらわれるものもある。
それが楽器の発明の面白いところ。
③ハイハット ⇒打楽器というのは、手で叩くものだった。
ブルーズのドラマーが演奏していると、お客さんに
「いつも足が動いているから音を鳴らしたら?」と言われ、靴の底に金具をつけて音が鳴るようにした、というのがハイハット(足でリズムをとる楽器)の原型なのだそうです。
⇒ハイハットは、8ビートや16ビートの生みの親。
ハイハットのおかげで、ロックやポップスのリズムは生まれた。
☆新しい楽器の登場が、音楽を変える!
④エレキギター ⇒1940年、レオ・フェンダーが発明。(1949年、商品化)
⇒ギタリストの中に「ギターソロを弾きたい」「音を大きくしたい」という欲求があった。
⇒そこで、アコギにマイクを付けてみたら、ハウリングしまくる。アコギの音を響かせる空洞が邪魔だった。
⇒板に弦をつけて、マイクをつけてみたのが、エレキギターの起源。
☆エレキギターはまだまだ歴史の浅い楽器。
エレキギターは、プレイヤー側が「もっとこうしたい」と思って生まれた楽器。
⇒プレイヤーが音楽の発展を生んだ!
⇒そこからメタルが生まれ、エフェクターが生まれ、新しいジャンルを生んだ。
☆プレイヤーの欲求と楽器の発明が相互に関係し合って、新しい楽器と新しい音楽がどんどん生まれている。
cf))ヴァイオリンは進化のない、言い方を変えると完成された楽器。
もしかすると今後少しずつ、プレイヤーの意向で形が変わったりしていくかもしれない。
cf))ギターのフレットの数も、プレイヤーが「もっと高い音を出したい!」「もっと複雑な和音を出したい!」と望めば、もっと複雑なギターができるかも。8弦とか9弦とか。
☆これからの楽器の進化に期待!
◎楽器分類学
●ザックス=ホルンボステル分類
⇒音を鳴らす仕組みによって分類している。
1914年当初は4つに分類していたが、電子楽器の登場で1940年、5つになった。
※分類の方法は様々あるけれど、今回はこの分類を用いる。
(以下、ざっと各分類の説明を先に書いてから、実演レポしますね~実際は説明しながら実演、説明しながら実演、という流れでした!)
①体 体鳴楽器
ひとつの物質でできていて、それを鳴らすことで音が鳴るもの。
ex))シンバル、トライアングル
②膜 膜鳴楽器
膜を張り、それを叩くことで音が鳴るもの。
ex))太鼓
膜をきちんと張っておくことがポイント。張力が大切になる。
③弦 弦鳴楽器
弦を鳴らすことで音が鳴るもの。
ex))ギター、ピアノ
これも張力が大切。弦がゆるければ音が低く、きつければ高くなり、弦が太ければ低く、細ければ高くなる。
④気 気鳴楽器
空気の力によって音を鳴らす楽器。
ex))オルガン
⑤電 電鳴楽器
電鳴楽器は「電子楽器」と「電気増幅楽器」に二分される。
電鳴楽器と電子楽器はイコールではない。
電鳴楽器の特徴は、電気がないと音がでないこと。アンプを通さないと音が鳴らないこと。
ex))キーボード
~彩雨さんの実演~
彩雨さんが身の回りにある様々なものを使って、即席で5種類の楽器を制作!音を鳴らしてレコーディングを行いました!
①体 体鳴楽器
取り出したのはスプーンとフォーク。
2つをカチカチ鳴らして音を出す。
食べる側を叩くと高い音が、柄の方を叩くと鈍い音がすることがわかる。
同じ物質でも、形状によって音が異なるのが体鳴楽器の特徴。
彩雨「ドラマーは力いっぱい叩いているように見えて実は繊細なんですよ。
シンバルも叩く場所ひとつで音が変わる。それを使い分けて、より良い音を出してます。
…ドラムのハードル上げて申し訳ないけど今度悠くん観てみて!」
言うと悠さん緊張するから言わないけど!だって。笑
REC ♪スプーン&フォーク(←ファイル名)
あやくすスプーンとフォークのかちかち音を録音。
食べる部分、柄の部分それぞれを録音。
彩雨「音が違うはずなんだよ~」
録音したものを再生
彩雨「……わかんねぇな!笑」
ちなみに、といってUSJのスヌーピーのいちごのまるいかんかんを取り出すあやくす
彩雨「持ってきたものではないんですけど、ここにあったものを」
ぼんぼん叩く。
彩雨「大学の友だちに舞浜に住んでる子がいて、ディズニーのおみやげもらったんだけど持ってくるの忘れたんだよね」
ということで今日はUSJのかんかんで代用(?)
REC ♪USJ(←ファイル名)
かんかんの裏側、側面を叩く。結構わかりやすく音が違う。
次はあやくすが飲んでたほうじ茶のペットボトルをペンで叩くあやくす。
REC ♪ほうじ茶(←ファイル名)
②膜 膜鳴楽器
ラップとガムテープ大の透明テープを取り出すあやくす
テープのまんなかあいた丸い部分にラップをつける。
叩いてみても鈍い音しかならない。
彩雨「張力が大切だから、今あんまり張力がないんだよ」
そう言って取り出したのは「ダイソーで買ってきた」風船。
口の部分を数センチカット。
それを先ほどのテープにラップと同様にくっつけて膜を作る。
叩くと、べんべんと太鼓っぽい音が!
彩雨「ゴムは伸縮性があるから張力が強くなって、こんな風に太鼓みたいな音が鳴ります」
REC ♪ゴム風船太鼓(←ファイル…もういいか)
③弦 弦鳴楽器
彩雨「糸があればいいんだよ」
そう言ってたこ糸と紙コップを取り出すあやくす
紙コップの口をつける部分にたこ糸を巻き付け、鳴らしてみる。
ポコポコ鳴る。
彩雨「これはね、糸じゃなくてコップが鳴ってる音。
太鼓は予習してきたんだけどね、他はぶっつけ本番だから分からない!笑」
当たり前なのかもしれないけれど、本業も忙しいのにきっちり準備してきてくださるあやくすすごいなぁと思いました。
彩雨「よっぽどギューーっとしないと良い音が鳴らないんだよ」
そこで取り出したのは輪ゴム。
鳴らすとポンポンと木魚のような音が鳴るように!
コップの形状を変える?と音階が変わると予想していたあやくす、しかしながら特に音に変化はない
彩雨「張力っていうのは物理学でね、どの張力でどの音が鳴るって全部計算で分かるんですよ。
でも、人間界は物理学だけでできてないからね、こうやって予期せぬエラーが起きるんですね」
笑
REC ♪紙コップギター
④気 気鳴楽器
ストローを取り出したあやくす。
彩雨「隣の100円ローソンでマネージャーにいっぱいくすねてきてもらったストローです」
またもはさみ登場。
彩雨「これはね、予習したんですよ。
クラリネットのリードとかは先が細くなってるでしょ。
パイプオルガンは管の長さが違うことによって音を変えてるし、リコーダーは穴を押さえることで管の長さを強制的に変えてます。」
ストローの先を△の形に切り取り、口の部分をつぶす。
あやくす吹いてみる!
♪ぷう~~~~~~~~~~
見事な船の発船音みたいな音に教室拍手!
♪ぷう~~~~~~~~~~
彩雨「いいですね、コツをつかんでるうちに、録音します!」
REC ♪ストロー笛
⑤電 電鳴楽器
電鳴楽器の実演音作りはなし…というか、後半戦で惜しみなく電鳴楽器のすごさが発揮されます!
例えばエレキギターであれば、電鳴楽器の発展には
(1)電鳴楽器としての発展(ex.ピックアップ)
(2)弦鳴楽器としての発展(e.ボディや弦)
双方の発展が不可欠。
☆今の分類は5つだけれども、今後の発展によっては、新たに音を出す方法が生まれるかも!
☆楽器の歴史は、いつまで経っても発展途上。
彩雨「さっきね、ネアンデルタール人がウッホウッホしている話をしたんですけれど、」
木をバンバン叩いてウッホウッホ歌うのはネアンデルタール人だったそうです(初登場)
ウッホウッホ言い過ぎでウッホウッホの語感を絶対気に入ってるあやくす
彩雨「身体自体も楽器になるんだよってことで、身体を使って音を録音したいと思います。
……ひとつ言いたいんだけど、摩天楼オペラを知らない人もいるかもしれないから言うんだけど、
僕はキーボードで、ボーカルはもっと歌の上手い人がいるんです。
カラオケとか行ったらさ、オペラの曲入れられるんだよ。
『おまえこれ創ってんだろ』って。
キーボードだって!!!」
あやくす悲痛な叫び。
彩雨「歌にはあんまり自信がないんですけど、やります。」
REC ♪ayame(ちょっと画面観づらかったから見えなかったんだけど、その後“Voice”って言いまくってたからもしかしたらファイル名は“Voice”かも)
彩雨「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。」終
シュールw
☆身の回りには音の出るものがたくさんある。
「楽器」とされているものと、同じ仕組みで音が出せるものが、身の回りにもある!!
すごく楽しく学ばせていただきました。
ここでチャイムが鳴ったので、一旦休憩!
あやくすは音を「整える」と言って、♪スプーン&フォークの音源をノーマライズって機能を使って編集を始めてました。
音をコピペして一定のリズムにしていくと、スプーンの音がリズムカルな音になっていく~!!
※後半へつづく※cherryoulife.hatenablog.com